任意整理
☆任意整理は、強制執行がされにくい。
――特定調停が成立すると調停調書が作成されますが、これは確定判決と同じ効力が認められていますので、決定した返済計画通りに返済ができなかったり、返済が遅れた場合(通常2回)は、直ちに強制執行により給料等を差し押さえられる恐れがあります。
これに対し、任意整理による和解契約は弁護士の責任下で行われますので、原則として裁判をせずに強制執行が可能である債務名義化がなされません。
これは、代理人となる弁護士が完済まで返済を管理していくからです。
しかし、返済期間が長期(4年~5年)化する場合や、借入れ残高が高額な場合には公正証書の作成を求められることもあります。
この場合は裁判をせずに強制執行が可能となります。
☆任意整理は、損害金のカットが可能である。
――特定調停の場合は、通常、最後の支払日から調停が成立するまでに約2ヶ月かかります。
場合によっては、その間の遅延損害金を返済計画の借金総額に加算されてしまうことあります。
また、貸金業者が取引履歴の開示を速やかに行わなかった場合、その分時間がかかるため、多額の遅延損害金を請求される可能性もあります。
一方、任意整理の場合は、弁護士が利息・遅延損害金の一律カットによる交渉を行うので、元本のみを返済すればよいという内容で和解を成立させることができます。
☆任意整理は、同時に過払い金の回収も可能。
――特定調停は簡易裁判所の調停員が間に入って貸金業者との交渉を行います。
しかし、調停員では過払い金が発生していても、取り戻してもらえません。
もしも過払い金が発生していて、その返還を希望するのなら、調停成立後に、新たに「過払い金返還訴訟」を起こす必要があります。
そのため、過払い金が発生している場合には、特定調停をするのではなく、過払い金返還訴訟によって債務整理をするほうが合理的でしょう。
これに対し、任意整理の場合は、任意整理による和解交渉と並行して過払い金の返還請求を行いますので、過払い金を取り戻すことができ、戻ってきたお金を他の債務に充てることも可能となります。
☆裁判所への出頭が不要。
――何度も裁判所に出向かなければいけない特定調停とは違い、任意整理は裁判所を介在しないので、出頭は不要です。
また、必要な手続きや貸金業者との交渉も弁護士が行うので、交渉時の立ち会いもありません。
☆家族に知られずに債務整理ができる。
――特定調停の申立は、債務者本人が行うので、裁判所から自宅宛に通知が届くため、家族に知られずに特定調停を行うことは困難です。
その点、任意整理は、全ての手続きを弁護士が代理で行うため、交渉や書類のやり取りは弁護士事務所と貸金業者間で行われます。
自宅に郵便物が届くこともないので、家族に内緒で任意整理を行うことができます。